亭主の独り言

(11)   風に身を任せて

 

  冬の夜の出来事です。神社の参道で小動物を 拾った事があります。雪の上に倒れていました。まだ生きているようです。そっと懐に入れて持って帰りました。ストーブの横に置くと暫らくしてノソノソ歩き 始めました。夕飯の残りのハンバーグを食べます。かわいい顔で鼻に白い筋がありました。ハクビシンの子供だったのです。その頃はごく珍しい動物だったので す。今はハクビシが屋根裏に住み着いて困ったという話しをよく聞きます。

  初夏、大山寺へ向かう林道で不思議な声を聞きました。風に乗って 「ぴーよ、ぴよ、ぴーよ、ぐじゅぐじゅぴーよ」 といつまでも続きます。小鳥の声は殆ど聞き分けられるのに、分かりませんでした。茶色で地味な鳥です。
図鑑で調べました。中国の鳥、我眉鳥(がびちょう)です。中国の公園で人が集まり、鳴き合わせをしているのをテレビで見ました。早春の朝から夏の終わるまですばらしい声で鳴きつづけるのです。7、8年前の事です。今では緑のある所、何処でも聞かれます。

  夢 心亭の裏庭にも様々の動物が来ます。常連は鹿と猪です。鹿は夜中に突然ライトを照らすとちょっと驚いたような表情で振り向きます。冬には青いものが少ない ので民家に近づきます。可愛いいのですが、青いものなら何でも食べてしまい困ります。鹿の食べない植物は三椏(みつまた)だと知って何本か植えました。そ の三椏が春一番に可憐な花をつけます

  猪はウリボウという子供は可愛いのですが、大人には近づきたくはありませんね。猪突猛進で向かってこられたら怖そうです。

  カモシカが斜面にいることがあります。カモシカのような足と言いますが、実際はウシ科の動物。見た目も牛のようです。その姿で鹿でも立てないような斜面を歩きます。雪の朝には、テンかイタチが歩きます。見るのは足跡だけです。

   な かなか見られないものが有ります。ムササビです。2Fの大山現代の美術館の屋根裏。トントントンという音。人が早足で歩くような。知らないと怖いですよ。 誰かが潜んでいるのかな?てな事はありませんね。月夜の晩、こちらから裏山に掛かる赤い橋の向こう。ケヤキの木の枝から二階の屋根に「ふあっと」滑空する 黒い影。これは運が良くなければみられません。

  蛙は好きですか?カジカ蛙。ご存知でしょうか。アマガエルより少し大きめです。この蛙は清 流にしか棲みません。暑い夏、涼やかな声で複雑な素敵な鳴き声です。夢心亭のテラスに立って下の谷川のせせらぎに耳を傾けてみてください。きっと聞くこと が出来ます。でも気を付けて下さい。落ちたら大変です。

 自然の営み。意外と心落ち着いていると見えてきます。たまには雑事を忘れて。風の流れに身を任せましょう。風流ですね。

 
相原秀樹亭主・館長 相原秀樹

私儀恐縮ですが、私は一見難しい人間に見られがちですが、実は全然違います。
おしゃ
べり大好きなのでお客様に嫌われないように静かにしています。
人間大好きです。なんでも結構です。お声をかけてください。




    トップページへ                                過去の記 事へ